【書評】「パンツの面目ふんどしの沽券」~パンツを巡る奥深い世界

書評

ちょっと前に出版された本ですが、本棚を整理しているときに見つけて久しぶりに読んだのがタイトルの本です。

著者は米原万里。既に故人ですが、元々ロシア語の通訳をしながら、作家としても数々のエッセイを出していた方です。

タイトルのとおり、本書は「パンツ」を始めとした下着や、広い意味でのパンツであるズボンを巡る世界的な「謎」に挑んだ意欲作です。

かなりユニークであり、そして意外にも奥深い「パンツ」の歴史や世界の風俗を垣間見ることができる本ですね。

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ソ連人は尻を拭かない?

おもしろい話がたくさん載っているのですが、その中から特に面白かったものをいくつか紹介したいと思います。

まずは、ソ連人について。

著者自信がロシア語の通訳をしていたこともあり、旧ソ連関係の話を聞く機会が多いようで本書でも豊富なエピソードが綴られています。

たとえば、シベリア抑留されていた日本人の証言によればソ連人のルパシカ(シャツのようなもの?)の下端がひどく黄ばんで汚れていたらしい。

なぜかというとソ連人はパンツをはいていなかったらしいのです。そしてルパシカの下端を下着かわりにしていたというのです。これはある意味シャツの本来の使用法で、現在でもワイシャツの下端が前後部分が長めになっているのはその名残だとか。つまり、昔はワイシャツの前後を股にくぐらせるようにしていたらしい。

さらにシベリア抑留されていた日本人の証言によればソ連人は尻を拭いていなかったらしい。そのせいで余計にルパシカが汚れていたんですね。

日本人的には考えられないことですが、当時のソ連人は用を足した後、拭きもせずそのまま立ち去っていったとのこと。

現在のロシアでの「尻事情」は分かりませんが、どうやら「尻を拭く」というのも世界的に見れば当たり前ではないのかもしれません。

パンツにまつわる話題は尽きない

そのほかにも興味をそそられる話題が多く乗っています。

例えば、十字架上のイエス・キリストの下着はパンツかふんどしか、腰巻か。信仰をもっている人から見れば、不謹慎だと思われそうですが、言われてみればどうだったっけ?と気になって仕方がない。

絵画のモチーフにもよくなっているキリストの磔刑ですが、画家によってパンツの部分の描写はまちまちらしい。果たして、実際はどうだったのか。

ほかにも、アダムとイブはイチジクの葉っぱで前を隠すようになったというが(世界初のパンツ?)、どんな風に前をおおったのか。そもそも、葉っぱであそこを隠すことができるのか。

ふんどしは如何にして「日本男児の精神的支柱」になったのか・・・

どうです?おもしろそうだとは思いませんか?

正直パンツ(下着)の話がこんなに歴史と奥行きがあるとは思いませんでしたね。そして、そういった話をかしこまった感じではなく、親しみやすい文体で語る著者のおかげでより愉しむことができました。

是非「パンツ」を巡る奥深い世界を探検してみてはいかがでしょうか?

書評
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