国民年金は有利な金融商品です

税・年金・社会保障

最近ニュースなどで話題になっている「老後に2000万円」という話。年金だけでは生活できないと大騒ぎしているようです。そんなこと、今に分かった話でもないのに、と思いますが。

とはいえ、年金に対する不安があることは確かでしょう。年金には、自営業者などが加入する「国民年金」とサラリーマンが加入する「厚生年金」があります。

サラリーマンは、給与から強制的に保険料が天引きされますが、国民年金は自主納付という形になります。経済的な問題もあるでしょうが、年金に対する不安のせいか、国民年金の納付率は6割に達しません。

果たして、年金は払わないほうがよいのでしょうか。実は、「金融商品」として見たときに、国民年金は意外と有利な商品ではないかと思うのです。

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国民年金の仕組みはシンプル

国民年金は、20歳から60歳まで定額で積み立て、65歳から定額の年金を受け取るという制度です。

定額で保険料を納付し、定額で年金を受け取るというシンプルな制度なので、電卓をたたけば損得を簡単に計算することができます。

まず納付する金額ですが、年間で約20万円です。20歳から60歳まで40年間払い続けると、総支払額は約800万円になります

一方、受け取ることのできる老齢基礎年金は月額約6.5万円。年額でいうと約80万円弱です。

ということは、年金を10年ほど受給すれば、元が取れる計算になります。

平均寿命まで生きるとすると

日本人の平均寿命は、男性で約79歳、女性で約86歳です。もし、65歳で年金を受け取り始めたとして平均寿命まで生きたとすると、男性の場合で約1,120万円(約80万円×14年)、女性の場合で約1,680万円(約80万円×21年)受けとることができます

現在の制度がこのまま継続するならば、男性は支払った金額の1.4倍、女性は2.1倍が戻ってくる計算になります。

これを利回りに換算すると、国民年金は男性で年利約1.5%、女性で約2.5%になります。

昨今の低金利に比べれば、かなり有利な金融商品ということができるのではないでしょうか。

さらに、保険料は全額が所得から控除できますし、障害年金や遺族年金の仕組みも付随してます。

このように、国民年金は金融商品として見たときには、かなり有利な商品と言えるのです。

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制度の改悪の余地は限られている

このように国民年金は、仕組みが単純なので、数値さえ与えれば小学生でもすぐに損得を計算することができます。

もしも、保険料を上げたり、給付額の減額もしくは受給開始年齢の繰り上げをしてしまうと、平均寿命まで生きても元が取れないということになりかねません。

そうなってしまうと、保険料を納めるよりも自分で持っておいたほうが断然いいですから、誰も保険料を納めなくなるでしょう。

ただでさえ、納付率が低いものがさらに悪化してして、年金制度そのものが破たんしてしまいます。もしも、年金制度の維持をあきらめないのならば、制度の改悪はあまりできないでしょう。

制度的には収支を改善する余地はあまり残されていません。保険料や受給開始年齢の引き上げは多少あるでしょうが、その余地は限れられているのです。

一方、厚生年金は・・・?

国民年金はかなりトクな制度だということが分かりますが、サラリーマンの加入する厚生年金はどうなのでしょう。どうやら、国民年金の赤字のツケが厚生年金に回っているらしい。

厚生年金については、一概に金額を示すことはできません。なぜなら、厚生年金については、その保険料が「標準報酬月額」や「標準賞与額」に、一定の保険料率(約18%)を掛けて算出することになるからです。つまり、収入の多少によりその保険料や受給額が変わってくる仕組みになっています。なお、保険料については、事業主つまり会社と被保険者で折半して負担しています。

得なのか損なのかがよくわからなくなっています。

さらに、国民年金と違って厚生年金は、給料から天引きされていますから、「取りっぱくれ」がないのです。ぼったくるにはこれほど都合のいい仕組みはありません。

税金もそうですが、取りやすいところから取るというのがお上の常とう手段です。サラリーマンというのは「搾取」の対象なのです。

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年金は長生きに対する「保険」

国民年金は金融商品としてはかなり有利な商品です。生きている限り受給することができます。たとえ120歳まで生きても受給できるのです。

年金は、長生きに対する「保険」と考えるべきでしょう。もちろん年金だけで生活するのは難しいとは思いますが。

ですから、金融庁の報告書にあるように個人個人が備えをしておくことが必要でしょう。そんなことは前から分かっていたことでしょうし。