【書評】「FIRE-最速で経済的自立を実現する方法」

書評

先日、書店でこのようなタイトルの本を見つけました。「FIRE」つまり、アーリーリタイアに関する本ですね。

私のようにセミリタイアを意識している人間にとっては、「これは!?」と手にとってしまうような本ですが、そうでない人にとってはどうなんでしょうね。

「FIRE」と聞いて、「火」でもなく「缶コーヒー」でもなく「Financial Independence Retire Early」を思い浮かぶ人がどれくらいいるのでしょう。

おそらく、まだまだ知名度はないでしょうが、いよいよ日本にもFIREムーブメントの波が本格的にやってくるのかもしれません。

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内容はシンプルです

本書の内容は、アメリカ人のグラント・サバティエ氏が5年で銀行残高2.26ドルから125万ドルの資産を形成し、FIREを達成したノウハウをまとめた本です。

125万ドルというと、日本円で1億円以上の資産です。これを5年で達成したのですから、スゴイとしかいいようがありません。

とはいえ、本書で語られていることは決して見新しいものではありません。

要点を述べてしまえば、

  1. 倹約を常に考え「スーパー・セーバー」になること
  2. 本業や副業で収入を増やすこと
  3. 1と2で得たお金をインデックス投資に回して資産を増やすこと

資産を増やす方法が、支出の最小化、収入の最大化、資産の運用しかありませんので、当然と言えば当然です。

その中でも、著者が強調しているのはお金に対する考え方です。時間とお金のトレード・オフを意識することの重要性です。

1万円の買い物をするということは、もしも自分の時給が1,000円であれば、10時間分の労働時間との引きかえをしていることになります。

また、今日の1万円は未来の10万円かもしれないと思うこと。消費せずに運用に回していれば、そういう可能性もあるのです。

それだけの価値があるかどうか、それがお金を使うかどうかの判断基準になるということです。そして、時間を無駄にするなということ。

このあたりは私もまったくの同感です。

無駄遣いを防ぐためのお金の考え方を身につけよう!
資産形成において、もっとも確実に結果を出すことができるのが、節約です。そこで、今回は節約をする、つまりお金の無駄遣いをしないためのお金の考え方をご紹介したいと思います。

また、なるほどと思ったのは、「60歳でリタイアするより30歳でリタイアするほうが少ない貯金額でリタイアできる」ということです。

つまり、若いほうが長期に渡って資産運用が可能なため、資産を増やせる機会が多くなるということです。複利効果が時間とともに大きな効果をもたらすかは周知のとおりです。常識的な考え方に反するような感じがしますが、確かにそうだなと思います。まあ、できるだけ運用部分の取り崩しを遅らせる必要はあると思いますが。

参考にならないところもあります

内容はわかりやすく、とても参考になりますが、著者がアメリカ人なので日本では参考にならない点もあります。

例えば、不動産投資に関する項目や、アメリカの非課税口座の話なども参考にはなりません。

また、収入を上げるために会社と昇給の交渉をするよう書いていますが、年功序列の日本型雇用形態では実践は難しいと思います。

また、副業についてもすべての人がうまくいくとは限りません。

さらに、個人的に気になったのは、株式投資のリターンを年7%と想定していることです。

確かに、過去のアメリカ市場の株式のリターンは7~9%と言われているので、間違いではありません。

もちろん、著者も毎年確実に7%のリターンが保証されているものではないことは断っています。

とはいえ、「保守的に」7%と見積もっているとのことですが、個人的には楽観的過ぎるような気もします。

7%複利で計算すると、確かに30年後にはエライことになります。2000万円を30年運用すると1億5千万円を超えますから。

そうなると、うれしいですが、計画の段階ではより悲観的な想定をしておくべきではないかと思います。個人的には2~3%くらいで想定しています。

結果として想定を上回ることになるほうがいいですからね。

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結局自分がどうしたいか

本書は「FIRE」を目指す上での著者の実際の経験に基づくノウハウが詰まっています。

とはいえ、すでにFIREやセミリタイアを意識している人にとっては、そんなに目新しい話はないかもしれません。どちらかというと、自分のセミリタイアに向けた取組が正しい方向なのかを確認するといった意味合いが強いかもしれません。

私が本書を読んで一番心に残ったのは、ノウハウというよりは次の事実です。

人生の最期を前にして人々が感じる最も大きな後悔のふたつは、「他人が期待する人生ではなく、自分自身に正直な人生を送る勇気をもつべきだった」、そして「あれほど一生懸命に働かなければよかった」だ。

働く必要がなければ、働かなくてもいいのです。とてもシンプルな事実です。

にも関わらず、早期退職というと、世の中は「働かざるもの食うべからず」とか、「そんな甘い考えで生きていけると思うな」などと言って脅してきます。

そして、「人生100年時代」とか「生涯現役」といって長く働くことを称賛し、人々を「地獄」へと誘っています。

しかし、そんな脅しや集団催眠に屈してはいけません。

やるべきことは、他人が期待する人生ではなく、自分自身に正直な人生を送る勇気をもつということなのですから。

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会社に行きたくない~セミリタイア15ヵ年計画~